ラグビーコーチへの道

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スティーブ・ハンセンコーチ理論③

勝敗についてスティーブ・ハンセンの考え

「誰が負けを楽しむ事が出来るだろうか。例えばもし試合があと5分しかないのなら、重要なのは未だ起きていない敗戦を心配するのではなく、この試合を絶対に負けない事だけを考える事。」

 スティーブ・ハンセンは負ける事が大嫌い。それはコーチとして勝ちと負けが意味するものを長年学びよく知っているから。そしてその勝ち、負けを知っている事が彼自身の強みであり、また最大の弱点でもあるとも言っています。

 

 

f:id:terfc:20180825203705j:plain(2012年オークランド決勝での敗戦の時の写真。グレードはU85(85㌔以下)。この年は残り2試合で眼窩底骨折で離脱。。みんな暗いですね。。。笑)

 

負けは到底受け入れられる訳ではないが、負けた場合は感情をコントロールすることを長年コーチとして学んだ。感情的になっても特にメリットはない、但しそれは負けを受け入れると言う訳ではない。

 

常に学ぶ姿勢が有れば、負ける事によりより多くの事を学べるという事だ。

 

 もし負けらならまず最初に自分自身を見つめ直そう。この負けた試合に自分自身は何をフォーカスしてきたのか?そしてどの部分が改善ができたのか?それを自分自身で見つめ直して、初めてコーチ陣や試合の戦略的な改善点を見るべきである。

 

コーチとして勝つ事の喜びを大きなモチベーションとする事で負けを減らす事ができる。しかし忘れてならないのは、勝つ為のプロセスを疎かにしてはいけない。それはスポーツで最も重要な事である。 

 

勝ちについて考えると、勝ちたいという本能はだれにでも備わっている者である。例えば子供のビー玉の勝負であっても、子供は勝ちたいという意思はとても自然なことである。

 

試合に向けて何にフォーカスするか?は、「試合に勝つ為のポイント」にフォーカスする事である。子供のビー玉の話に戻ると、大好きなビー玉を失う事を心配するよりもプレッシャーの中でビー玉の勝負に勝つ為のスキルを教える方が断然重要である。

 

 他の例えではスコットランドアイルランドに対して残り5分でもうダメだ、俺達は負ける、絶対に負けてしまうと思ってしまったら、絶対に勝てないでしょう。そうではなく「今この瞬間何をするべきなのか、どうしたら得点をすることができるのか」を考えるべきである。2014年のアイルランド戦(24−22)は最後の最後で試合を諦める事が出来たが、それは誰もしなかった。

 

勝つ為にはしっかりとした「準備」が必要になってくる。

準備をしないととてつもなく大きなプレッシャーがかかってくるが、正しい準備をできればそのプレッシャーは非常に少なくなる。そしてコーチとしてその瞬間何をしなければいけないのか必然的にわかるであろう。そしてするべきことに集中するだけだ。

 

 

 

 

「勝ち」、「負け」とは何でしょうか?